FC2ブログ
プロフィール

柏駅西口徒歩3分かしわ鍼灸院 MATSUO TAKEMAE

Author:柏駅西口徒歩3分かしわ鍼灸院 MATSUO TAKEMAE

東洋医学と健康長寿
鍼灸医道の源流である皇帝内経(約2600年前=中国最古の医学書)の最初の章では【上古の人は、年百歳をわたりても尚動作衰えず、矍鑠(カクシヤク)していたというのに、今時の人は、五十そこそこで、もはや動作が衰えてしまう。これは、いったいどういうわけなのであろうか】といった一文で始まり、健康長寿の爲の生活の知恵が述べられ、更に高次元的視点から人の健康レベルについても述べられています。
最新コメント

鍼灸患者学:肩こりは病氣の始まり

2019/04/10 06:50:22 | 鍼灸患者学 | コメント:0件

たかが肩こり、されど肩こり

病「膏肓」に入る。 
 
昔、東洋医学では「病膏肓(やまいこうこう)に入る」という言葉がありましたが、その意味するところは「病気が医者の手の下しようもないほど重篤になった状態」ということだそうです。 

 その「膏肓」(こうこう)と言いますのは、肩甲骨の内縁にあるツボのことですが「膏」は心臓の下部の心外膜をさし、「肓」は横隔膜の胸腔側の漿膜をさすといわれています。

つまり、この部分のツボが凝っているということは、心臓の働きを制限し、全身の血流を阻害し、また、横隔膜の働きを制限するということは肺呼吸を制限し、酸素の吸入量を減少させてしまい、それが全身に影響するということであります。

一言で言いますと、人の生命に関わる心・肺機能に重大な影響を与えるということであります。

 現代では単なる肩こりが「重症」とは感じられませんが、当時の医学書・皇帝内経(約2300年前)によりますと「上古の人は、春秋皆百歳を度(わた)りて而(し)かも動作衰えず」とありまして「皆100歳を過ぎても、動作衰えず矍鑠(かくしゃく)としていた」ということでありますから「肩こり」も殆どなく、健康度も生活の質も高い状態であったのではないかと察しられます。

肩こりという病氣はない=全身状態の信号です。

 ところで現代人はどうかと言いますと、小学生あたりから肩こりがあるようでありますし、大人も「肩こり」は普通になっていますが「肩こり」と言いますと、多くの方々は、ただ肩だけの問題と思っていて他の病気との関係があまり結びつかないようですが、実際には様々な病気を引き起こすきっかけになってたり、他の部分の病気の信号になったりしていますので、今回は「肩こり」と全身との関係についてカルテから取り上げてみたいと思います。

肩こりは万病の信号、早めの解消が無難

 一般的に「肩こり」と言いますと「肩」だけの問題と考えられていますが、たとえ「肩」と言いましても、全身と繋がっていて、全身へ影響を与えていますので、放置しますと「肩」以外の骨格系や内科系などへと影響が出てきます。ですので「肩こり」は全身の状態を表す信号と捉えて早めに解消しておいた方が無難です。

例えば、肩から上は首や頭と連動していますので「首こり」や「頭痛」などの原因になりますし「首こり」になりますと首を通る神経系や血管系が制限されて顔面神経、三叉神経、自律神経の領域への影響、脳血管への影響などが出てきます。あるいは眼科領域や顎関節の歪みが出て歯科領域に影響が出てきます。

また、上部胸椎(背骨)の部分のコリは肺や心臓と関係していますので、それらの内科系の症状の原因となってゆきますが、一般的にはそれらの症状と肩こりが結びつきませんから、まさか、肩こりが影響していたとは気ずきません。

また、肩から先の手指へと影響して、手指の痺れ、麻痺、ばね指、ガングリ、頚腕神経症、腱哨炎なども肩こりが原因です。

また、鍼灸治療の対象にしている「経絡」(けいらく)的にみても肩~首~頭にかけては、大腸経、小腸経、三焦経、胃経、膀胱経、心臓経、胆経などが通っていますので、是等の「経絡」(けいらく)が歪むための病気も発症してきます。

次にカルテから具体例をあげてみたいと思います。

【肩こり~首こり~胃の不調】

◎胃がん・・60代男性・・・ガン治療のおりに、肩背部や首を見るとバリバリの状態でしたのでお尋ねしたところ、これは長年のもので胃がんを発症する以前からありましたとのこと。

◎胃の不調・・・30歳代女性・・・胃が不調でしたが、首の治療をしていたところ「それって胃にビンビン響いてきます」首と胃が繋がっていることがよくわかりますとのこと。

◎胃の手術・・・80歳代・・・胃の奥に良くないモノがるのでと言われ手術しましたが、その後から首が回りづらくなったとのこと。それまではそんなことはなかった方です。この方も胃の手術と首の不調はどうにも結びつかない様子でしたが、胃と首は経絡ではつながっています。(古傷=各種の手術痕の影響)

◎胃がん・・・20代男性・・・ガン治療の折りに肩こり、首こりが強烈に痛いという。整形外科でみてもらったが異常なしとのこと。胃がん発生前からそれはあったとのこと。

※「経絡」(けいらく)的には胃経は足の先から、顔面まで全身の縦のラインを貫いて通っていますので、胃の不調が肩、首の部分に影響が出ても不思議ではないのです。

【左肩こり~心臓病】

 心筋梗塞や狭心症の方の場合、長引きますと左肩が、単なる「こり」ではなくて、変形するほど盛り上がっています。これもご本人は「肩こりと心臓病」は結びつきませんから、心臓は心臓、肩こりは肩の不調と考えていましたが、双方が関係しています。

◎胃・心臓の不調は左の肩こりになります。

【右肩こり~肝臓疾患】

 肝臓ガン、肝硬変など肝臓疾患は右肩がこりになります。

【肩こり~首こり~顎關節~顎関節症の歪み、歯科領域】
 
これは結構多いのですが「顎関節症」と言われる方々の殆どは、それ以前に肩こりが常習的になっていて、それを解消されていない爲に、やがて、首こり、顎関節の歪みとなっています。よく、歯科医にゆきますと「歯を治せば、肩こりが治ります」と言われるそうですが、それは逆で、肩こりを解消すれば歯の不調も解消します。肩こりが原因で顎関節の歪みは結果です。

【肩こり~首こり~耳鼻咽喉科~メニエール病】

◎60歳女性:東京の病院での検査結果、メニエール病と診断されたそうですが、首を診たところ大変にこっていましたので、それを解消したところ、メニエール病の症状が消えて、病院の治療の予約を取り消したとのこと。

◎首こりは耳鳴り、難聴、も誘発します。

【肩こり~頚椎ヘルニア】
 
これも結構多い例ですが、生まれた時から頚椎ヘルニアということはありませんから、そこに行く着くプロセスがあるのですが、この場合も肩こり→肩の左右がアンバランス→頚椎ヘルニアになっています。頚椎ヘルニアは全身に影響を与えますので早めの解消がおすすめです。

【肩こり~首こり~頭痛、片頭痛】
 
頭痛、片頭痛は肩こり~首こりを解消することで、解消しています。また、うつ病なども、強い首こりの影響と言われていますが、首こりは頸動脈の流れを制限して、脳が酸欠状態になりますので、頭の各種疾患の原因ともなっています。

【肩こり~首こり~脳血管障害、脳卒中、脳梗塞、認知症】

◎これらの特徴は首(後頸部)のコリが特徴ですから、早めに解消しておくことで予防は可能です。

【肩こり~首~眼精疲労、眼瞼痙攣、涙管の詰まり】

◎70代女性・長年涙管の詰まりで眼科へいっていましたが、首こりの治療で解消して感動されていました。

◎眼科領域は首こりにより三叉神経を圧迫されて神経伝達が不調になって起こる場合が多いようです。目が悪いから方がこると言われますが、肩が凝って目が悪くなることもあります。

【肩こり~乳がん・乳頭腫など】

◎乳がん、乳頭腫の方々も初期症状として強い肩こりがあったそうで、最初は単なる「肩こり」と思っていたとのことです。が、このような場合も「肩こり」と病気本体との関係が結びつかないようです。

【肩こり、首こり~全身の骨格系への影響】

右肩、あるいは左肩のどちらかの「肩こり」を放置して置きますと、肩の左右のバランスが崩れて、それが背中の骨格系のアンバランスの原因となり、骨盤のアンバランスとなり、下半身の不調が表れてきます。(腰痛、股関節痛、膝痛、坐骨神経痛など)

【古傷~肩こり、首こり】

・過去の交通事故の後遺症(むち打ち)、さまざまな手術、頭部の打撲、などの様々な古傷が原因して「肩こり」を発症していることもあります。

鍼灸治療は副作用のない予防医療。
 
以上、今回紹介しましたのは症例の一部ですが、東洋医学では「肩こり」を治せれば名人と言われてきました。それは、以上に見ましたように、一口に「肩こり」と言いましても、十人十色の全身との関係があるからなのです。

 ともあれ、人体は全身が一つの生命体として、全身と各部分は連動しながら健康を保っています。ですから「たかが肩こり」と考えずに早めに解消することがお勧めです。

 鍼灸医学の本来の目的は「健康長寿」(不老長寿)のための一つのツールとして、発展してきました。鍼灸治療で肩こりは解消できますが、やはり大事なことは、末永く健康寿命を伸ばし、人生の質を高めて有意義な人生を送ることですが、鍼灸医学の「未病治療」(予防治療)で、その真価が発揮されます。

 メンテナンス治療では本人の気ずかない隠れたコリを解消することで予防効果を発揮します。東洋医学では「病気になってから治療するのは、喉が渇いてから井戸を掘るようなものだ」と言われていますし、実際も予防が出来て健康寿命の延長ですからメンテナンス治療がお勧めです。

尚、鍼灸治療の予防治療は、ワクチンのように副作用がないだけではなくて、自然治癒力を活性化しますので、質の高い人生を応援できます。未病治療(メンテナンス)治療を継続しますと

○快眠、快食、快便となります。
○その結果、日中に不調や疲れがあっても、寝て起きたら治っている状態になります。
○心と体に余裕が出来てきますので、笑顔が多くなります。
○仕事や家事が楽しくなってきます。


 以上は人間の本来の健康状態ですから、特別なことではありませんが、人間は気ずかない内に疲労が重なってきます。

そして、気づいた時には、身体のアチコチに不具合が出てきます。体が不具合になると心も快適という訳にはゆかず、その為に体調が更に悪化するという悪循環に陥ってきますので、そんなマイナスのスパイラルから、健康を回復してプラスのスパイラルの転換へのキッカケになれればと願っています。
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する